■笠塔婆
寺域の一隅に、石造笠塔婆がある。塔身は、一辺が30p、高さが95pの角柱である。台座は、幅55p、長さ70pである。高さは30p程である。
笠は、幅56p、奥行31p、高さ30pほどである。笠は、正面に唐破風をつけた入母屋造りであって、唐破風の中央下端には、蕪模様の兎毛通(うのけどおし)をつけている。
塔身には、華頭形のくりぬきの中に、虚空蔵菩薩が浮彫りにされている。尊像の下には、「十三仏供養」と右側に、また左側に、「一万三千座修畢」と、二行にわたって彫られている。
北面には、「天和二壬戌年」(1682)の紀年銘が比較的はっきりと彫られている。 南面には、上部に、種子キリークが刻まれている。その下に、三段、各段、三行にわたって、戒名が彫られてある。「心誉順□信士」、「慈辺道□信士」、「修養賢安信士」等である。その下、第二段目には、「□□□春信士」、「信養仰前信士」、「花道□前信女」、とありその下、第三段目に、「□為母□□」、「為□□□□」、「為□□□□」、とあって、他は読みえない。
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