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続・質問帳

若林隆壽

質問

節分に「恵方巻(えほうまき)」を食べると、どんなご利益(りやく)があるのですか。

回答

若林隆壽

 

  「恵方巻」って何?と思われる方も、まだまだ多いと思います。関西のごく一部の地域を除いては、ついここ数年前まで、そんな習慣はなかったのですから無理もありません。
節分は、もともと「立春や立夏などの春夏秋冬の各季節の始まりの日の前日」のこと、つまり「季節を分ける日」のことをいいましたが、現代では、立春の前の日をさす場合がほとんどです。
コンビニエンスストアなどで売られている「恵方巻」の解説には、その節分の夜、その年の十干(じっかん)によって定められている年神(としがみ)様の来臨(らいりん)する方角=恵方に向かって立ち、眼を閉じて、願い事を思い浮かべながら、太巻き寿司を一気に食べると、その願い事が叶(かな)うなどとあって、これはもちろん仏教の行事ではありません。
お年寄りや小さな子供たちに起こる事故の一つに、コンニャクのゼリーや雑煮のお餅のように、誤飲(ごいん)や嚥下(えんげ)困難による窒息(ちっそく)があります。あわてて飲み込もうとしたために息が詰(つ)まり、最悪の事態(じたい)を招くことさえあります。福を求めてかぶりついたつもりが、そんな悲劇を生むことになっては洒落(しゃれ)にもなりません。
恵方巻 一説(いっせつ)には、「恵方巻」は業者が海苔(のり)の販売促進のために全国展開したともいわれています。季節感あふれる行事は大事にしなければなりませんが、その地域に根付いてこそのものといえるでしょう。利益(りえき)はあがっても、ご利益はどうでしょうか。

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