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続・質問帳

若林隆壽

質問

最近「直葬(ちょくそう)」という言葉を耳にしました。何のことですか。

回答

若林隆壽

 

  葬儀のやり方は宗派によっても、また地域によってもいろいろと違いがあります。「直葬」というのは、ここ十年ほど、都市部を中心に急速に増えつつある葬儀の形式で、通夜や葬儀を執(と)り行わずに「直接火葬に付す」ことからこう呼ばれてます。火葬炉の前で、本当に短い時間お経を上げる場合もありますが、公営の火葬場等では、それすらも許されないところもあります。
かつては主に経済的な理由から選択されていたやり方でしたが、「老老介護」などの言葉が示すとおり、高齢化が進み、亡くなられた当人はもとより、喪主(もしゅ)を努(つと)める方もすでに現役を離れている、仮に通夜・葬儀を営(いとな)んだとしても、弔問(ちょうもん)に訪れるのは本当の身内だけである等々、「直葬」が選ばれる理由も変化してきています。
しかし、もしその根底に「ただ荼毘(だび)に付しさえすればいい」というような、あまりにドライな考え方があるとすれば、悲しすぎると言わざるを得ません。
通夜・葬儀などの一連の葬送儀礼(そうそうぎれい)は、亡くなった方のためであることはもちろん、遺(のこ)された方たちの悲しみを癒(いや)す場としても重要です。
イメージ2 「直葬」にせずとも、ご家族だけで営む方法などもあります。また、お寺さんによっては、「直葬」で済ませた場合、その後の納骨(のうこつ)を認めないところもあると聞きます。十分にご相談になってお決めください。

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