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続・質問帳

若林隆壽

質問

「七夕(たなばた)」は「お盆(ぼん)」と関係があるのですか。

回答

若林隆壽

 

  「七夕」というと、牽牛(けんぎゅう)と織女(しゅくじょ)の二つの星が、天の川をはさんで年に一度だけ逢(あ)うという「星祭(ほしまつ)り」の話が、まず最初に頭に浮かぶことと思います。また子供のころ「五色(ごしき)の短冊(たんざく)」にいろいろな願い事を書いて、「笹竹飾(ささたけかざ)り」につるした記憶のある方も多いことでしょう。
 これは奈良時代に中国から伝わった説話や、この二つの星に書(しょ)や裁縫(さいほう)の上達を願う「乞巧奠(きっこうでん)」という慣習に、日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」の信仰が合わさったものと考えられており、もともとは「お盆」と直接関係のある行事ではなかったようです。
 しかし「七日盆(なぬかぼん)」といって、「七夕」の日を「お盆」の始まりと考える地方も多く見られます。そうしたところでは、7月7日または月遅れの8月7日、旧暦の7月7日になると、お墓、墓地から自宅までの道、お仏壇などを掃除して、「お盆」の準備を始めます。
 国立天文台(こくりつてんもんだい)では「二十四節気(にじゅうしせっき)」の中の「処暑(しょしょ)」より前で、「処暑」に最も近い「朔(さく)(新月)に日を基準に、その日から数えて7日目を「伝統的(でんとうてき)七夕」の日と定めています(今年は8月22日の日曜日。)
 ネオンに照らされた都会では、夜空に星を探すことも難しく、また日常生活の中で、天の川を見上げることなどほとんどなくなってしまった私たちですが、せめて「七夕」の日には無駄(むだ)な灯(あか)りを消して・亡き方たちに思いをはせたいものです。

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