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続・質問帳

若林隆壽

質問

最近「家族葬(かぞくそう)」という言葉を耳にしますが、「密葬(みっそう)」とは違うのですか。

回答

若林隆壽

  「家族葬」「リビング葬」など呼び方はいろいろですが、都市部を中心に、会社や近隣の人に知らせることなく、家族や本当に親しい友人のみを招くだけの葬儀が行われるようになってきました。
 まるで個人宅の居間のような式場に棺(ひつぎ)を安置し、スナップ写真や生前のビデオ映像を見たり、参列者が会食しながら、思い出を語り合うといった、故人との「別れ」に主体をおいた葬儀です。
 これに対して「密葬」はとりあえず近親者のみにて一旦葬儀を執(と)り行い、後日告知の上、改めて「本葬」「表葬(ひょうそう)」を行う場合に使われる言葉ですから、「家族葬」とは基本的に違うものです。
 少子高齢化(しょうしこうれいか)が進み、亡くなる方の同世代の知り合いはすでに無く、また喪主も現(げんえき)を退(しりぞ)いている。地域社会との関わりもさほど深くはない。さらには、弔問者(ちょうもんしゃ)の接客や挨拶(あいさつ)などから解放されたいなどの思いが、このような形式の葬儀を生み出した一因(いちいん)でもあるようです。
 かつては「通夜」が、その字の通り、夜通(よどう)し故人を偲(しの)ぶという役割を担(にな)っていましたが、他人に見せる儀式に変化する中で「家族葬」も需要が高まってきたものでしょう。
 ただし、葬儀社の用意したパッケージのみが優先(ゆうせん)され、後で、菩提寺(ぼだいじ)さんとのトラブルになる例も少なくないようです。事前に充分な相談が必要でしょう。

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