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続・質問帳

若林隆壽

質問

ひび割れた墓石(ぼせき)を新しくしようとしたら、親戚から「何でもないときに墓地に手を着けると家族の誰かが亡くなる」と止められました。本当ですか。

回答

若林隆壽

   もし「墓地に手を着けると家族の誰かが亡くなる」のが本当だとしたら、その逆は「墓地に手を着けなければ家族の誰も亡くならない」ということになります。そう聞けば、それが真実でないことは一目瞭然(いちもくりょうぜん)でしょうし、そんな「統計(とうけい)」があるとは聞いたこともありません。
  もちろん、家人に重篤(じゅうとく)な病人がいる場合などには、墓石を新しくしようとすれば、その方の死を予感(よかん)させますから、十分な配慮(はいりょ)が必要です。しかし、闘病(とうびょう)に際して医師が患者に十分に情報を提供し、患者の同意を得るという「インフォームド・コンセント」という考え方が浸透(しんとう)しつつある今日では、余命(よめい)を宣告されたご本人が、生前にご自身の気に入るように墓石を発注される例なども、まま見受けられるようになりました。
  人の生死がどのように定まっているのかは、実は誰にも分かりません。どう行動しても、この世に生を享(う)けたときから運命的に決まっている、自らの行動によって変えられる、どう思うかは人それぞれです。
  いずれにしても、墓石の建立(こんりゅう)がそれを大きく左右する要因(よういん)になるとは考えられません。お彼岸や亡くなった方のご命日など、いつでも「思い立ったが吉日(きちじつ)」と心得て差し支えないと思います。

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