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続・質問帳

若林隆壽

質問

「お経」とはなんですか?「お経」には何が書かれているのですか?

回答

若林隆壽

 

  きん斗雲(きんとうん)に乗り、如意棒(にょいぼう)を振り回す孫悟空(そんごくう)が活躍する『西遊記(さいゆうき)』。その本来の主人公は、『経典(きょうてん)』を求めて中国からインドへの苦難(くなん)の旅を続けた三蔵法師(さんぞうほうし)であり、モデルが『大唐西域記(だいとうさいいきき)』を著(あらわ)した、七世紀初頭、唐(とう)の時代に実存(じつぞん)した玄奘(げんじょう)三蔵であることはいうまでもありません。
この「三蔵」という言葉は、
①お釈迦(しゃか)さまの説かれた真理(しんり)の教えである「経」、
②教団(きょうだん)を運営していく上で必要な規則(きそく)「律(りつ)」、
③お釈迦さまの教えについて、弟子たちが研究した「論(ろん)」の三つをいい、三蔵法師とは、まさにこの三つに習熟した人という意味です。
「お経」というのは、狭義(きょうぎ)には①の「経」だけをいいますが、広義(こうぎ)に「経典」というときには、この「三蔵」すべてを指します。
では、そこには、何が書かれているのでしょうか。大胆(だいたん)に一言で言えば「苦を離(はな)れるための処方箋(しょほうせん)」とでもいえるでしょうか。お釈迦さまの教えは「応病与薬(おうびょうよやく)」といって、その人の持っている苦悩(くのう)に合わせて、自在に説かれたといわれています。ですから「お経」はその処方箋の集大成(しゅうたいせい)ということができるのです。
宗派によって読む「お経」が違うは、各祖師(そし)方が、今の時代の人々の苦悩を救うのに、どの処方が最も適しているかを、それぞれに判断されたからです。
わが家の宗旨(しゅうし)の「お経」。一度ご自身でも読んでみましょう。

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