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続・質問帳

若林隆壽

質問

お釈迦(しゃか)さまはおひとりなのに、なぜ如来(にょらい)さまや菩薩(ぼさつ)さまなどはたくさんいらっしやるのですか。

回答

若林隆壽

 

  一言でいえば、菩薩さまというのは、自分一人の悟(さと)りを求めるだけではなく、他の人をも救うための修行(しゅぎょう)を実践(じっせん)している人、そして、如来さまはその修行を完成させた人といえるでしょう。いろいろな如来さま、菩薩さまは、それぞれ自分なりの方法で、「世のため人のため」を考えて行動されているのです。
 こんな喩(たと)えはいかがでしょうか。何か一つの食材があったとき、和食の料理人や、中華や洋食のコックさんたちが、各々まったく違ったレシピでありながら、その食材の持つ特性を生かして、素晴らしい料理を作り上げる。そして他の人には真似のできない、すぐれた調理法を確立した上で独立して店を出した。だから食材の数だけ、調理法の数だけ菩薩さまも如来さまもいらっしゃるのだと。
 お彼岸は、ご先祖さまの恩を思うだけでなく、私たち皆が菩薩となるべき志(こころざし)を起こす、修行のための一週間だといわれます。
 食べた人に幸福感を与え、その笑顔を見ることが、料理を作る人にとっての最高の幸せであるとするならば、私たちにはいったいどんな料理を作ることが可能なのでしょうか。そう考えた瞬間から、いずれは如来さまになりうる菩薩さまが一人増えたといえるのです。

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