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続・質問帳

若林隆壽

質問

跡継ぎがないと墓地をゆずってもらえないと伺いました。本当ですか。

回答

若林隆壽

 

   お寺に限らず、公的な霊園でも、いわゆる「無縁墓(誰もお参りする人のないお墓)」を作らないようにと心がけているのが基本的な考え方にあるのは事実で、実際墓地の規定で、継承者(配偶者や血縁関係にある親族)がいないと墓地を分譲しない、と定めている自治体も少なくありません。
しかし、そうなると、先祖代々の墓地があって、そこに入れる場合はいいのですが、新たに墓地(あるいは墓地の「永代使用権」)を求めようとしても、夫婦だけで子供のない人、たとえ子供がいても不仲で後を見てくれそうもない人、独身を通した人、離婚して一人きりになった人など、亡くなってもどこにも入るお墓がない、という人も大勢出てきてしまうということになります。
  最近、本山などでお骨を一定期間は単独でお預かりし、その後一つの「供養塔」に合葬(がっそう)するところや、自治体でも大きな「合祀(ごうし)墓」を作るケースなどが出てきましたが、まだまだ現実のハードルは高いようです。
  一般の寺院でも、「永代供養料」を払い込めばどうにかなるということではなくなってきています。
  この世に絶対というものはなかなかありませんが、いつか死を迎えるということは避けて通れないことです。新年早々縁起が悪いなどと思わず、一度真剣に、また元気なうちにこそ考えておくことなのかもしれません。

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