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続・質問帳

若林隆壽

質問

★子どもの「お食(く)い初(ぞ)め」を「春分の日」に計画したところ、両親に「お彼岸中は慎(つつし)みなさい」といわれました。「祝い事」はまずいのでしょうか。

回答

若林隆壽

「秋分の日」は秋のお彼岸の「お中日(ちゅうにち)」にあたり、国民の祝日に関する法律(「祝日法」)には、「祖先を敬(うやま)い、亡くなった人々を偲(しの)ぶ」とその趣旨(しゅし)が説明されています。これは、何も「お中日」に限ったことではなく、秋のお彼岸の基本的な考え方といってよいでしょう。  
さらに仏教では、お彼岸を「六波羅蜜(ろくはちみつ)」といって、菩薩(ぼさつ)(いずれは仏さまになって、人々を救おうと考える人)の六つの修行(しゅぎょう)、すなわち布施(ふせ)(施(ほどこ)す)・持戒(じかいう)(慎(つつし)む)・忍辱(にんにく)(忍(しの)ぶ)・精進(しょうじん)(励(はげ)む)・禅定(ぜんじょう)(身心を静める)・智慧(ちえ)(学ぶ)の「修行週間」と定めていますから、この一週間は、そうした心待ちで過ごすのが望ましいということになります。
ご両親が「慎みなさい」と仰(おっしゃ)ったのも、これに則(のっと)ってのことだと思います。
子どもさんは成長を待ってはくれませんし、家族揃って休みを取れる日となると、選定が限られてくるのは仕方がないことでしょう。

最近は、受験対策のためか、秋の運動会を前倒しして「お中日」に催(もよお)す学校も多いようです。お彼岸中に「祝い事」がまずい、という決まりはありませんが、祖先を敬い、亡くなった方を偲び、なおかつ自分を見つめ直す期間だということは覚えておいていただきたいと思います。

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